自分の身体を自分の意思でコントロールできる
年末年始や一月下旬の帰省中などはほとんど運動をしていなかったし、帰省の一週間は摂取カロリーも増えており、甘いものも結構食べた。二月に入ってからも、雨でジョギングができない日が多く、多忙により筋トレの頻度も減ってしまっていた。
ネットで調べてみたら、どうやらランニングやジョギングは一般的に一〜三ヶ月後から痩せ始めるということを知った。すとんと脂肪が落ちたのは、ジョギングを始めてちょうど三ヶ月経った頃だった。
私は何も知らずに走り続けていた。多分二週間くらいで何らかの効果が出るだろうと思い込んで期待して、でも何の変化もなくて、それでも健康になりたくて、祈りのように走り続けていただけだった。
私の身体も、結果を出せるんだ。
そう思うと、自分の身体への信頼感が増した気がした。
日々あらゆる努力を重ねても健康になれず、ちょっと良くなったかと思ったらまた悪くなる。そのせいで、自分の身体が言うことを聞かない、自分の身体に裏切られている、という感覚を私は強く持っていたのだろうと、この時はっきり自覚した。
ジョギングで脂肪が落ちたことによって、自分の身体を自らの意思でコントロールできているという実感を得た。見た目や体感的に痩せただけでなく、体組成計によって結果が数値で示されたことによって、その実感はより増したのだろう。
それはつまり、自分の身体が自分のものであるという実感なのだと思う。
思えば子供の頃も、場面緘黙症で声を出そうとしても出なかったり、運動音痴で思うように身体を動かせなかったりと、身体が言うことを聞かない、イメージした通りに動いてくれないという経験が多かった。その影響もあって私はずっと、自分の身体に対する所有感が希薄だったのかもしれない。
自分の身体が、自分のものだと思える。ただそれだけのことが、こんなに安心することだとは知らなかった。