こども家庭庁の「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、青少年の98.2%が「インターネットを利用している」と回答したそうです。そのようななか、成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子さんは「スマホは、我々にまたとない利便性を与えてくれますが、同時に集中力を奪い、限りある受験生の勉強時間も奪っていきます」と警鐘を鳴らしています。そこで今回は、高橋さんの著書『スマホで受験に失敗する子どもたち』から、親子がスマホと上手く付き合っていく方法を一部ご紹介します。
リテラシーアップの最適教材は家庭にある「アレ」
「子どもの情報リテラシーを高めたいですが、保護者である私自身が詳しくなくて……。どうすればいいでしょうか」
講演先では、保護者にこのように言われることもよくあります。子ども達の場合は、リテラシーの授業や、講演を受けることで学んでいることが多いようです。
しかし見守る側の保護者も、リテラシーを高めていきたいですよね。では、保護者はどのようにリテラシーを高めていけばいいのでしょうか。
おすすめは、日々のニュースを教材として親子で話し合うことです。食事時などにテレビのニュースを見るのもいいですね。
若者世代は、ニュースをほとんど見ていません。私が大学の講義中に受講生を対象に調査し、情報収集の情報源にしているものをすべて挙げてもらったところ、以下のようになりました。対象は1、2年生を中心とした272名で、男女比はほぼ半々です。
<『スマホで受験に失敗する子どもたち』より>
つまり、SNSを情報源にしているのは8割以上に上る一方で、何らかのニュースを積極的に得ている割合は4人に1人に留まるのです。
しかも見ているニュースのほとんどはネットニュースなので、興味がないニュースは全く読んでいない可能性が高いと考えられます。