客観的にも楽しみながら
歌麿は市井の人物なので、江戸城側を演じる役者の皆さんとの共演はありませんでした。
それもあって、個人的には“江戸城パート”を別のドラマだと感じるくらいに、一視聴者として楽しんでいました(笑)。
江戸城で展開する企みはあくまでテレビのオンエアで知るのみ。自分はせっせと江戸の町へ歌麿として入っていく。
一橋治済を打倒するための斎藤十郎兵衛の仕込ませ方も、もちろん知ってはいましたが、オンエアを通じてあらためて全体像を見て「あ!こうなってたのか!」と感じたり。その二つの世界の関係性がまた、現実の社会を表しているようで興味深かったです。
その十郎兵衛が姿を見せて終わる回がありましたよね?
あの回も、あくまで台本上では十郎兵衛が姿を見せる場面より、少し前のところで終わっていたんですよ。それを収録した後に「これは姿を見せたところで終わらせた方が盛り上がるんじゃないか?」と編集されていたんですね。
ですので、ドラマの展開自体を知ってはいても「こんな面白い終わらせ方をするんだ!」と感心して。それこそ視聴者の方と一緒にオンエアを楽しんでいたように思います。