愛情欲求か、あるいは思春期の再来か
夫の浮気の原因としては、愛情欲求の問題が関わっている事もあります。「人から嫌われたくない」「とにかく愛されたい」という気持ちが強く、妻がいても他の女性からの愛を求めてしまう――たとえ妻との関係がうまく行っていても、過去の愛情の器(※)が満たされなかった苦しさが、浮気につながってしまうのです。
ただ、愛情欲求が満たされていても浮気をする男性もいます。これは、思春期の反抗の繰り返しに近いと言えます。
例えば子どもが生まれ、生活を回す為に妻が口うるさくなる。父親である自分にも協力を求めて来るようになり、「やり方が違う」「もっと早くやって」などと言う妻が母親の姿と重なってしまう。そこから逃れたくて、楽しくおしゃべり出来る女性を求めて浮気をしてしまう男性もいるのです。コロナ禍でマッチングアプリを始めたケースなどはこれに当たります。
妻の姿が口うるさかった母と重なり、そこから逃げたくなる――。気持ちは分かります。しかし、夫はもう少年ではありません。結婚している以上、妻から、家族から逃げる事は許されないのです。
また、勉強や部活ばかりしてきて学生時代に遊んでこなかった男性は、大人になって遊ぶ事の楽しさを覚えると、家庭を顧みずにのめりこんでしまう傾向があります。お酒しかり、ギャンブルしかり、浮気もあり得ます。女性と飲み歩くのを「身体の関係はないので、浮気ではない」と言う男性もいますが、自分が家事育児に必死になっている時に、他の女性と楽しく飲んでいるというのは、妻としてはなかなか我慢ならないものです。
※人の心にある、愛情によって満たされる器のこと。子どもの頃に十分に愛されなかった人は愛情の器が満たされず、大人になっても苦しみ続けてしまうことがある。
