そういえば昔、僕の個展を見に来てくださった黒柳徹子さんが、「私、こんなしわくちゃ?」とおっしゃって(笑)。いやいや、違います、紙をもんでやわらかくしてシワをつけた《もみ紙》で折ったからです、と説明しました。シワではなく紙の風合いなんですよ。

僕は紙フェチでもある(笑)。紙を触っていると、なんだか心がスッキリし、浄化される感じがします。自分の思った通りの形にしていく過程がストレス解消になっているのでしょう。

舞台の仕事で地方に行くと、和紙の専門店を見つけては気に入った紙を買っています。だから家には紙のストックがいっぱいあるんですよ。折り顔に使うのは、やはり和紙が多い。繊維が長いので、折ったり膨らませたりしても破れにくいのです。

和紙がペラペラで薄い場合は、裏打ちといって裏側にもう一枚貼ります。そうすると、折り顔を作る時、裏側の紙を活かして二色使いもできるんです。

創作の際、モチーフに合わせて紙を選ぶことはしません。何気なく手に取った紙で「どうなるんだろう」と想像しながら折るのが面白い。紙の違いで、思いもよらない雰囲気が出るのが楽しいんです。

後編につづく

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