水分が不足すると心臓も腎臓も悪くなる
糖尿病の治療は食事や運動、薬物療法が中心とされてきましたが、近年では「水分摂取」そのものが大切な治療の柱として注目されています。
最新のアメリカ糖尿病学会(ADA)のガイドラインでも、水分補給は単なる習慣ではなく「治療戦略のひとつ」として位置づけられており、その背景には複数の科学的な理由があります。
まず、水分が足りないと血液が濃くなり、相対的に血糖値が高い状態になります。これは検査結果が悪くなるだけでなく、水分不足が続くと血液が濃くなって血栓がつくられやすくなり、動脈硬化を悪化させることにつながります。
また、水分不足は腎臓に大きな負担をかけます。
腎臓は血液をろ過して不要な糖や塩分、老廃物を排出するフィルターのような存在です。
しかし、水分が不足すると腎臓に流れる血液の量が減り、十分にろ過できなくなるため、より働かなければならなくなります。
それだけ疲弊するということです。
日本で透析患者が多い背景には、糖尿病とともに、塩分の過剰な摂取に加えて水分不足による腎機能の低下が関わっていると考えられています。
血糖値が境界型や糖尿病型の人にとって水を摂ることは、合併症予防に欠かせない習慣なのです。
