(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「患者調査の概況」によると、2023年に糖尿病で治療を受けていた患者総数は552万3,000人だったそうです。日本の深刻な健康課題である糖尿病について、国際医療福祉大学医学部教授で糖尿病専門医の坂本昌也先生は「“ちょっと血糖値が高い”という現象は、みなさんが考えているよりリスクが高い」と語ります。そこで今回は、坂本教授の著書『世界中の研究結果を調べてわかった!糖尿病改善の最新ルール』より一部引用、再編集してお届けします。

水分を摂るのは仕事

年齢とともに喉が渇かなくなる

水分を摂るのは仕事。

文字通り、糖尿病をはじめとする生活習慣病を遠ざけるために水分摂取を心がけるということです。

食事やエネルギー、そして水分は臓器を動かすために欠かせないものですが、年齢を重ねると摂取量が減る傾向があります。

加齢とともに水分を摂る量が減るのは、喉の渇きを感じるセンサーの反応が鈍くなるからです。若い頃なら少し体内の水分が減っただけで渇きを感じますが、高齢になると脱水状態に近づいても自覚できないことがあります。

そのため「喉が渇いたら飲む」ではもう遅いのです。50代以降は、意識的に水分を摂る習慣が必要になります。

患者さんに「水分を摂ってくださいね」とお話しすると、「水を飲むと何かプラスの効果を得られる」と受け取る人も多いのですが、水分補給はリスク回避のための習慣です。このままだとマイナス方向に進むものを、これ以上悪くならないように踏みとどまるために水分が必要なのです。

わたしたちの考え方は「マイナス10になるところをマイナス5に食い止める」というイメージで、決して0をプラス5に変える魔法のような効果ではありません。

だからこそ「水分摂取はお仕事です」と伝えているのです。