(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「がん」と診断されたときに直面する「どの病院に行くべき?」「どの医師に診てもらえばいい?」といった疑問――しかし、がん患者のための情報サイト「イシュラン」で編集長を務める医療コンサルタント・鈴木英介さんは「ランキング本や口コミサイトなど、世の中の多くの方が頼りにする情報は、実は賢明な病院・医師選びに結びつきにくい」と語ります。そこで今回は、鈴木さんの著書『後悔しないがんの病院と名医の探し方~「有名病院」「ランキング」に頼らず、最善の選択を』から、本当に信頼できる主治医にたどり着くための方法を一部ご紹介します。

その病院、「がん診療連携拠点病院」ですか?

「がん」と聞くと、まず大きな病院にかからなければ、と大概の人が思うでしょう。確かに、手術や抗がん剤治療、放射線治療などが必要となるであろうことを考えると、大病院でないと不安に感じるのは自然なことです。

しかし、一口に「大病院」と言っても、色々な形態の病院があります。がんセンター、大学病院、国立/県立/市立などの公的な病院、民間の総合病院…… これらの様々な形態の病院の中から、一体どこを選んだら良いのでしょうか。それとも、病院の形態以外に、何か先に考えるべきことがあるのでしょうか。

答えは「あります」です。

まず考えるべきポイントは、その病院が「がん診療連携拠点病院」か否か、です。「『がん診療連携拠点病院』なんていうものがあるの? 初めて聞いたぞ」という方も、多いかもしれません。

「がん診療連携拠点病院」とは、「専門的ながん医療を提供している施設」として国が審査・認定している病院です。では、いわゆる「がんセンター」と何が違うのでしょうか。

「がんセンター」は間違いなく専門的ながん医療を提供している施設で、どのがんセンターも、がん診療連携拠点病院として認定されています。ただ、がんセンター以外にも、国から「専門的ながん医療を提供している施設」として認定されている病院が、たくさんあるのです。

その数、2025年11月時点で、全国に391箇所。
厚生労働省 「がん診療連携拠点病院等一覧表(令和7年11月1日現在)」

情報元の厚生労働省のウェブサイトの中では、「都道府県がん診療連携拠点病院」(51施設)及び「地域がん診療連携拠点病院」(340施設)が、いわゆる「がん診療連携拠点病院」に該当します。

「地域がん診療連携拠点病院(特例型)」(12施設)、「特定領域がん診療連携拠点病院」(1施設)、「地域がん診療病院」(60施設)に関しては、「がん診療連携拠点病院」より指定の要件が緩和されているので、別物と考えてください。

「『がん診療連携拠点病院』なんて、昔からあったかなあ?」と疑問に思った方もいらっしゃるでしょうが、無理もありません。実は「がん診療連携拠点病院」が指定されるようになったのは、2007年からですから、それほど歴史が長いわけではないのです。

2006年に「がん対策基本法」が成立し、がん医療の充実を図るための具体的な施策が推進される体制が整いました。そして、厚生労働省が2007年4月に、がん診療の中核となる病院として、全国に「がん診療連携拠点病院」を指定しました。初期段階では約200の病院が指定されましたが、その後、定期的に医療機関の評価を行い、基準を満たす病院が追加指定されると同時に、基準を満たしていない病院は指定を見直す仕組みが導入されて、今に至ります。