評論家として活躍し、女性たちの声を集めて政策を提言する活動を続けてきた樋口恵子さん。介護保険制度の設立に大きな役割を果たしたため「介護保険の母」とも呼ばれます。93歳で迎えた2026年1月にはベストセラー『老いの福袋』の増補版を上梓。その名を冠した樋口恵子賞も4回目を迎えました。2025年12月13日に東京ウィメンズプラザホールで開かれた第4回樋口恵子賞の授賞式の模様をお伝えします。(構成:婦人公論編集部)
売名行為と言われるかもと悩んだことも
「誰もが生きがいをもって安心して暮らせる超高齢社会の創造と、次世代の輝く未来を目指して活動する個人または団体を応援します」。そんな思いから樋口恵子さんがこれまで受賞した賞の賞金などを社会に還元すべく創設した樋口恵子賞。第4回の授賞式には樋口さんが出席、受賞者を祝福しました。
「ご本人からひとこと」とマイクを向けられると樋口さん、
「賞を立ち上げたときは、何をしたらいいのか、そもそも樋口恵子という姓名を賞の名前にすることは売名的でよくないんじゃないかなどと、いろいろな悩みもございました。でも今年で4回目。回を重ねることは素晴らしいことです。4回の間に賞そのものは次第に洗練されてまいりました。このまま続けろよ、という天の声を聴いたように思っているところでございます」
と笑顔をまじえて話します。
長いスピーチは控えるようにと付添う助手が袖を引くと、「言いたいことがたくさんあるのに、少し長くなるとこうやって妨害が入るのです」と会場を笑わせました。
最後は、
「何しろみなさま、おめでとうございます!」
と元気に締めくくり、マイクを戻しました。樋口さんのユーモアあふれる言動に、会場の空気がほっこりと温まった一幕でした。