彼の名前はロバートさん。アメリカ出身で、日本にはもう30年以上住んでいるという。まぜ子とは少しずつ距離を縮めて、ようやく触れるまでの仲になったらしい。彼自身も、子猫が増え続けることに胸を痛めていた。

「じゃあ、こうしませんか? ロバートさんが朝、まぜ子を見つけて捕まえてくる。そして、私が病院に連れて行って手術する。費用は私が持ちます。オーケー?」
「オーケーイ。ヤリマショウ!」

ロバートさんはにかっと笑った。

こうして、4カ月間にわたる《まぜ子捕獲大作戦》が始まった。毎朝、私は動物病院に電話を入れる。「捕まえたらすぐ連れて行きます!」と伝えると、受付の方も「了解です。今日は手術枠、空いています」と予約を取ってくれた。そして午前10時まで、ロバートさんからの連絡を待つ。

「今日ハ、ミツカラナカッタヨー」

そのたびに、病院に「今日はダメでした」と電話を入れる。

何時に捕まるかわからないので、毎朝8時起床で待機。深夜まで漫画を描いていたので、睡眠時間は3時間ほど。フラフラだった。

「何やってるんだろ、私……」

そんなふうに思い始めたある日、ついに朗報が届いた。

「カミオサーン! ツカマエタヨー!」