夏が過ぎ、秋風が吹き始めた頃、ようやく再び捕獲に成功。今度は写真など撮らず、まぜ子をそのまま病院へ連れて行った。避妊手術は無事に終わった。

ロバートさんは、手術を終えたまぜ子を連れて帰り、一緒に暮らそうとした。けれど、まぜ子はそれを断固拒否して、また路上の暮らしに戻っていった。それでも、まぜ子は地域猫としてかわいがられ、その後何年も生きた。

私はその一件の後、隣町に引越したが、たまに前に住んでいた町の商店街を歩いていると、ロバートさんにばったり出会う。彼は相変わらず、自転車に乗っていた。

しばらくして、以前の家の近くを通ったとき、まぜ子が隣の家の塀の上でゴロリと横になっていた。

「ハロー、まぜ子」

そう声をかけると、彼女はやっぱり「フン」と顔をそむけた。でも、その「フン」さえ、私はちょっと、嬉しかった。

 

※本稿は、『花より漫画』(神尾葉子:著/KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

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花より漫画(神尾葉子:著/KADOKAWA)

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