家の前にロバートさんの自転車が止まり、荷台には私が貸したキャリーケース。中には、まぜ子がきょとんとした顔でちょこんと座っていた。
「うわあ! やったー! ロバートさん、ありがとうございます!」
私は大喜びして病院に連絡を入れた。
「ちょっと待って、記念に写真撮らせてください!」
スマホを取り出し、キャリーに向けると、ロバートさんが言った。
「コノ扉ガ、ジャマネ。撮リニクイ」
そう言って、キャリーの扉を―パカッと開けた。
その瞬間、まぜ子はビューンと飛び出し、私たちの間をすり抜けて逃げ去った。
「えっ? え? ロ、ロバートさん……?」
「アァー……シッパイネ」
私はその場に崩れ落ちそうになった。すでに作戦開始から2カ月がたっていた。