こんな時まで、繋がらないとダメ?
そして当時、もう一つモヤモヤした象徴的な「こそ」がある。誰が言い出したのか知らぬが、
「こんな時こそ、繋がろう!」
とどこからか湧き出したスローガンだ。
自粛生活で、ステイホーム、人流8割減などとお上からの下知(げじ)。人と会えない、交流を持てないという状況は、まさに「こそ」の面目躍如だが、
「こんな時まで、繋がらないと駄目?」
と戸惑った。なんと暴力的な「こそ」だろう。
その最たるものが、オンライン飲み会。ようやく大手を振って社交を“断てる”、今までは自分だけが変わり者だったのが、周囲もそうせざるをえなくなった今、相対的に目立たなくなるとホッとしていたのに、スマホかパソコンさえあれば繋がれてしまうという事実にゲンナリした。
大体、昔懐かしい黒電話でさえ、所定の位置は、玄関先。あくまで玄関まで、これ以上はご遠慮下さいという、お客様対応である。家の奥深くにまでズケズケと、魔の手を伸ばしてこなかった。
まあ、実生活がそもそも“オフライン”だったので、結局、誰からも誘われることもなく事なきを得たが、良いのか悪いのか分からない。