こんな時だからこそ、有意義に過ごす必要はない
本来、「こんな時」にボーッと過ごそうが、それは個人の自由。
なのに、「こそ」一つで、頑張らないと駄目な期間にたちまち変えられてしまう。こんな恐ろしいことはない。「こそ」を使って安易にポジティブなメッセージを発することにこそ、慎重であるべきではないだろうか。
勿論、自粛期間の最中、趣味を見つけた人、机に向かった人、資格を取った人、そういう方々を否定するものでは一切ない。素晴らしい成果を出し、満足されている方もいるだろう。ただ一方で、
「こんな時でも頑張ってる人がいるのに、それに比べて私は……」
と自己嫌悪に陥った方もいたのではないだろうか。
言葉に込められた折角の優しさが、いつしか一人歩きして、「頑張れない」人を苦しめる事態になっては悲劇。
いわゆるコロナ禍は収束したが、天災をはじめ、今後も予期せぬタイミングで「こんな時」は我々に降りかかるだろう。その際には、
「こんな時だからこそ、有意義に過ごす必要はない」
と、意識的に訴える変人がいても良いと思う次第である。
※本稿は、『僕たちにはキラキラ生きる義務などない』(大和書房)の一部を再編集したものです。
『僕たちにはキラキラ生きる義務などない』(著:山田ルイ53世/大和書房)
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