喜んでいる人へのアドバイス
しかし不動産投資家として成功している人はともかく、ご自宅のマンションの値上がりで喜んでいる人に対して私は「ならばすぐに売りましょう」とアドバイスしています。なぜなら自宅という「自分の生活コスト」としてマンションに住んでいる限り、どんなに中古価格が上昇しようにもその利益を手にすることができないからです。含み益はあくまでも「含み」であって売却しない限り実現できません。
持ち家であることを継続する限りにおいてはなかなかこの含み益を享受できないのが自宅を投資対象とする資産形成なのです。含み益を満額実現しようと思うならば、自宅を売却したのちにいったん賃借すれば、手元キャッシュを増やすことに貢献します。特に自宅の売却にあたって発生する譲渡益は、3000万円までは譲渡税がかからない特典があります。それでも新たに借りることになった賃貸住宅で賃料が発生してしまいますが。
私の知人でこの自宅の売買を繰り返すことによって一定の資産を築いた人がいますが、彼は少なくても会社員人生を送っていた期間の中で12回売買をした、つまり引っ越したということなので、ご家族の苦労が偲ばれます。
また不動産の売却の場合にはなかなか想定したとおりの利益が得られません。不動産仲介手数料は売買金額の3%程度かかりますので高額になるほど実額が高くなります。3000万円の税額控除はあるもののそれを超えれば短期譲渡(5年以下での売却)については譲渡益に対して39.63%もの高率な税金が課せられます。
買い替えるにしても自宅の場合は、通勤通学の便や面積、間取りを大きく変えることができないと、結局自分が購入した時よりもはるかに高い価格の家に買い替えることになりますので、住宅ローンの額もあまり変わらないどころか、高額になるケースも多いのです。
不動産価格が右肩上がりを続ける限り、自宅の含み益で金持ちになる夢は永遠に実現できないことになります。
