おもてなしや気づかいを身に着けたいと考えている方も多いのではないでしょうか。皇室・VIPフライトに乗務した経験を持つ一般社団法人ファーストクラスアカデミー 代表理事の香山万由理さんは「『おもてなし』はモラルやマナーといった土台があってこそ成り立っている」と話します。そこで今回は、おもてなしの土台となるモラルやマナーについて、香山さんの著書『ふるまいひとつで仕事も人生もうまくいく 気づかいの神さま』をもとに解説をしていただきました。
行き過ぎた「モラル」は人を傷つける
モラルは社会を円滑に動かすために必要な潤滑油です。しかし、行き過ぎたモラルは、時に人を傷つけ、社会を分断します。
これは、行き過ぎた「正義の押しつけ」につながりかねません。
コロナ禍では「自粛警察」という言葉が生まれました。自分が「こうすべきだ」と思っていることをしていない人に対して、ネットで晒したり、必要以上に非難したり……。
こうした行為の多くは、「社会のため」という名目を掲げながら、実際には他人を攻撃する免罪符としてモラルを利用してしまっているケースです。
同じように、社会的に好ましくない発言や行動をしたとして個人や組織をSNSなどで糾弾し、不買運動を起こしたり、ボイコットしたりすることで、社会から排除しようとする動きも行き過ぎたモラルの一例です。
また、文化的背景や価値観の違いが原因でモラル違反に見えることもあります。
そうした場合、まずは「正す」より「伝える」。寛容さを持って相手の立場や背景を理解しながら、必要な訂正をするほうが、建設的であり人間的です。