(写真提供:Photo AC)
おもてなしや気づかいを身に着けたいと考えている方も多いのではないでしょうか。皇室・VIPフライトに乗務した経験を持つ一般社団法人ファーストクラスアカデミー 代表理事の香山万由理さんは「『おもてなし』はモラルやマナーといった土台があってこそ成り立っている」と話します。そこで今回は、おもてなしの土台となるモラルやマナーについて、香山さんの著書『ふるまいひとつで仕事も人生もうまくいく 気づかいの神さま』をもとに解説をしていただきました。

不快感はすべてを台無しにする

ある知人が、SNSで話題になっていた人気の飲食店を訪れた際のこと。猛暑の中、1時間以上も外で並んだそうです。

行列は道路にはみ出すほどで、スタッフが出てきて「広がらないでください」「静かにしてください」と注意していました。安全や近隣への配慮は当然ですが、口調が強く、表情も険しく、注意というより叱責のように感じたそうです。

ようやく入店の順番がきたときも、「お待たせしました」などの声かけはなく、無言で席に案内されたそうです。美味しい料理を楽しみにしていた分、接客に対する違和感が強く残ったようです。

お店側も忙しい中で対応しており、大変な状況だったことは想像に難くありません。ただ、そうした場面でこそ「暑い中ありがとうございます」などのひと言があるだけで、お客様の印象は大きく変わります。

どんなに話題になっていても、実際に足を運んだときの体験がそのお店の評価に直結します。味と同じくらい、接客の印象も大切だと感じさせられる出来事でした。

マナーとは、何か。それは、相手に不快感を与えないようにすること。不快な状況、状態をどう取り除けばいいのかを考え、それを形で表現したものです。別の見方をすれば、相手にとって心地よい状況、状態を提供することです。