マナーができていない人は、自己中な人?

マナーができていない人に共通しているのは、「自分がこれをされたら嫌だな」という想像をしていないということです。

たとえば、人と会う前ににんにく入りのものを思いっきり食べてしまう……。今日はスタミナをつけたいからにんにくパワーを注入! という気持ちもよくわかります。しかしその直後に、商談が入っていたとしたら、相手は商談どころか、ブワーッとニオってくるにんにく臭にやられて集中できないのではないでしょうか。

口臭に気を付けて、ニオイのきついものは人と会う直前には食べない、歯磨きやマウスウォッシュをするというのも、相手への思いやりを体現したマナーなのです。自分はにおわないから気づかない、というのは無意識のマナー無視につながります。

メールにも、マナーがあります。たとえば、メールの定型文として、冒頭のあいさつに「いつもお世話になっております」を入れます。しかしながら、そんな決まりきったあいさつは不要とばかりに、いきなり用件から書く、という方がいらっしゃいます。

自分自身はあいさつがなくても気にならないという考えのもと、冒頭のあいさつを省いているのですが、メールを受け取った相手も同じ考えとは限りません。

マナーとは、相手に不快感を与えないこと、相手に心地よい状態・状況を提供することですが、個人個人で、気になることと、気にならないことが違いますよね。「私は気にする」「俺は気にしない」と、個人の価値観に委ねていると基準があいまいになってしまい、身動きが取れなくなってしまいます。

そこで、この価値観のバラつきを統一させるために、「ビジネスマナー」「テーブルマナー」「冠婚葬祭マナー」「劇場マナー」といったものが生まれました。

形式ばったマナーが横行しているので、「マナーなんていらない」「マナーなんてくだらない」と言ってしまう人がいるのも気持ちはわかりますが、マナーとは多くの人が気持ち良い行為だと感じるものを抽出して、形にしたものです。

ですから、ビジネスマナーを完璧にやっている人は、「堅苦しい」と思われることはあっても、「無礼だ」と不快感を覚える人はいないのです。

自分の感じ方を優先させ、自己中心的な価値観で行動するよりも、多くの人が気持ちが良いと感じる行為をしたほうが、結果的に自分が得をします。

※本稿は、『ふるまいひとつで仕事も人生もうまくいく 気づかいの神さま』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

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