ぬいは、あなたの家になってくれる
あと、ちょっと。
話は違ってくるのですが、これ、一番感じたのは、“入院”した時でした。
私が最初に入院したのは、胸の手術をする為でして……。
これ、嫌だよね。そもそも、“入院”という事態が、嫌だ。できるなら、したくない。それに、手術というのも、とってもとっても嫌でした。これまた、できるならしたくないよね。
でも、手術をしなきゃいけないから、それがマストだから、私、入院することになった訳でして……。
まあ、五、六日くらいの入院でしたが(胸の手術って書いたけど、肺とか心臓とか、そういう生命維持に必需な器官の手術じゃなくて、乳腺関係のものだったのね。いや、これだって大切な器官なんだけどね)、この時私、うちのぬいさんを同伴しました。
入院して。「明日手術だから、今日お風呂にはいってね」なんて言われて、病院の浴室で体洗っている時、もう私には不安しかなくって。
けれど。十人くらいがはいっている大部屋だったんだけど、一応カーテンで仕切られている自分のコーナーにはいって。そこで自分のベッドにはいったら。そこにいるのは、私のぬいさん。
で、その子に顔を埋めて、その子の匂いを嗅いだなら。
……ああ。
ああ、これは、“うち”、だ。
これ程素敵なことって……他にはもうないと思います。
そのくらい。
ぬいぐるみって、素敵なものなんです。
だって、携帯できる、あなたの“家”なんですもの。
そうなんです。
可愛くて。
肌触りが最高で。
その上、あなたの家の匂いを保持してくれている……携帯できる、我が家。
それが、ぬいぐるみなんです。
ここまで魅力的な存在、他にある訳がないでしょう?
これが、ぬいぐるみの魅力です。

