死んだ人を綴ったフィクション「選抜テスト」
フィクションの戯れとして死んだ人をおもしろおかしく綴ったことがある。例えば「選抜テスト」。不謹慎かな。ヒロインは幼いときからなにか大切なテストに出会うと、決まって失敗してしまう。テストには決定的に弱いのだ。受験はもちろんのこと、結婚もテストのような気配があって、これも大失敗、夫も姑もみんなひどい。さんざんな目にあい、死んでからその悪意をしみじみと知り、
「化けて出てやるわ」
決心をしたけれど神様が、
「化けて出るにはテストが必要です」
選抜テストがあるのだ。これがものすごくむずかしい。
あははは、ブラック・ユーモアですね。この手の怪談は山ほどある。
しかし恨みを持って死んだ人が、みんな化けてこの世に出るとすれば、この世はお化けだらけになってしまう。だからあの世でもお化け許可テストを設けねばなるまい。そしてこのテストはどんな試験よりもむずかしい。司法試験どころではない。合格者はお岩さんとか、ハムレットの父王とかが、例外的にパスするだけではあるまいか。