呼吸で臓器をマッサージ
なぜ私の身体がそんなにも好転していったのか。それは、呼吸法と正しい姿勢を教わったことで、腹式呼吸ができるようになったことが始まりだと思っています。腹式呼吸ができるようになると、腸などの臓器が自然とマッサージされ動くようになる。蠕動運動が促されて、便秘が解消され、むやみに溜め込まない「出せる体」になったというわけです。
姿勢を正す時、まず意識するべきは仙骨でした。仙骨とは骨盤の中央にある逆三角形の骨で、背骨の土台でもあります。仙骨の仙は“仙人”の仙。仙骨は、すべてのバランスを司る要の骨なのです。この逆三角形の土台の上に、腰椎、胸椎、頚椎、そして頭蓋骨が積み木のように乗っています。
ただし、仙骨が傾斜してロックされてしまうと、背中や肩などの動きが悪くなる。試しにグッとお尻を突き出した姿勢と、仙骨をまっすぐにした姿勢とで、それぞれ肩や腕を高く持ち上げてみてください。動きが違うことが体感できると思います。だるま落としと同じで、安定した土台にきちんと骨が乗っていれば、すごく楽なはずなんです。
身体の「中心」に位置する仙骨が傾いていると、その上にある背骨全体、そして頭蓋骨までもがバランスを崩してしまいます。 裏を返せば、間違った傾きを直してあげれば、不調も良くなるというわけです。“肚(はら)がきまる”“肚(はら)を据える”という言葉がありますが、この時の“肚”は丹田のあたりを指していて、ここに力をこめるには仙骨が立っていないといけない。仙骨を立てると自然に下腹部に力が入り、腹に力が入っていると、全身にエネルギーが巡っていきます。
仙骨をまっすぐに立てていると下腹部と連動している骨盤底筋にも力が伝わり、生理の時も、ナプキンをあまり使わずに過ごすことができます。着物を着ていた時代の女性たちは普段は骨盤底筋を締め、お手洗いに行くときに経血をまとめて出すことができていました。みんな自ずと腹式呼吸もできていたんですね。