白隠禅師の教え
実は私が教わった呼吸法はフランスから伝わったとされるものだったのですが、呼吸法について自分なりに調べていったら、1700年代に書かれた白隠(はくいん)禅師の『夜船閑話』(やせんかんな)に行きつきました。私を生まれ変わらせてくれた呼吸法のルーツは日本にあったのかと驚きました。
白隠さんの教えを読み解いていくと、呼吸をするにはまず姿勢ありきなのです。姿勢が調うことで呼吸が調い、心も調う。姿勢を調えるためにはまず体の土台である仙骨を立てないといけない。
一流のスポーツ選手は、みんな当たり前のように仙骨を立ててプレーをしています。仙骨を立てない状態で最高のパフォーマンスはできないからです。バレリーナだろうと野球選手だろうとそれは変わりません。
大谷翔平選手が卒業した花巻東高校では、立腰といって仙骨を立て、毎日1分間腹式呼吸をする時間を設けていると聞きました。いわゆる「肚(はら)がすわる」状態を作り、動じない精神力や体幹(身体の芯)の安定を目指しているそうです。野球部の佐々木先生とお話した折、「おかげで野球部の生徒は運動ができるだけでなく、学力も高いんですよ」と誇らしげにおっしゃっていたのを思い出します。