2025年6月13日に成立した「年金制度改正法」が、2026年4月1日以降段階的に施行される予定です。しかし、年金制度になんとなく疑問を持っているという方も多いのではないでしょうか。確定拠出年金アナリストの大江加代さんは「誤解にもとづいた炎や煙は私たちの心に『年金はあてにならない』というイメージを強く残し、老後への不安から現在の暮らしを楽しむという幸福を奪うことさえあり、非常にもったいないこと」と指摘しています。そこで今回は、夫の故・英樹さんとの共著『知らないと損する年金の真実 - 改訂版 2026年新制度対応 -』より、一部を抜粋してお届けします。
もし公的年金がなかったら?
仮にもし公的年金という制度が今、なかったとしたら、一体どういうことになるでしょう?
下図にAさん、Bさんという2人の例を考えてみました。どちらも30歳で両親はいずれも65歳、生活費が年間300万円というところも同じです。
<『知らないと損する年金の真実 - 改訂版 2026年新制度対応 -』より>
違いはAさんが3人兄弟でBさんが一人っ子ということ、そしてAさんの両親は75歳まで存命ですが、Bさんの両親は90歳まで長生きしたという条件です。
Aさんの場合、両親のこれから10年間の生活費は300万円×10年=3000万円です。年金制度があれば、このお金の大部分は年金でまかなえますが、年金のない世界という前提なので、この3000万円を兄弟3人で分担します。1人当たり1000万円ということになります。これなら何とかなるかもしれません。