問題発覚後もなお甘い認識

2016年秋以降、有識者や競合メディア、利用者からの厳しい指摘が相次ぎ、WELQの記事が大量の誤情報や不適切な引用を含むことが明らかになった。

当初、DeNA本体は事態を深刻に受け止めていなかったフシがあるが、メディア報道やSNSでの炎上、社会的批判の高まりを受け、同年11月末にWELQ全記事を非公開化、12月初旬に閉鎖を発表した。さらに他のキュレーションサイトも順次公開停止とし、12月7日に謝罪会見を実施した。しかし、その場に事業責任者であるC氏は同席せず、詳細な経緯説明も行われなかったため、「なぜここまでずさんな運営がまかり通ったのか」という疑問は残ったままだった。

2017年3月、DeNAの第三者委員会が調査報告書を公表し、キュレーション事業における著作権侵害や医療情報の信頼性欠如、倫理面の問題、そしてガバナンスの不備を指摘した。C氏も同月、執行役員などの役職を辞任する意向を示し、事業責任を取る形となった。

調査のなかで明らかになったのは、「ゲーム以外の新たな収益源を早急に確立する」という経営目標が先行し、経営陣からトップダウンで「10種類のキュレーションサイトを短期間で立ち上げる」よう指示されていた事実である。C氏は自身の得意とするITマーケティング手法を用いて多ジャンルへの展開を推進したが、医療のように専門性と法規制遵守が不可欠な領域においても同様の方法で記事を量産し、その結果、ユーザーの生命・健康に関わる情報の信頼を大きく損なったのである。