社会の信頼を失う組織的失敗
WELQ騒動は、IT企業がスピードとPV至上主義で事業を拡大する一方、医療分野特有のリスクや規制への対応を怠り、専門家を配置することなく突き進んだ組織的失敗といえる。
短期的な成果を優先した経営からの指令と、統括責任者の非専門性が組み合わさって、結果として「炎上商法」に近い形でアクセス稼ぎが目的化した。その結果、DeNAは社会的信頼を大きく失い、医療・健康分野でのビジネス展開を自ら断念せざるを得なくなったのである。
第三者委員会の調査でも、経営トップは事業内容に深く関与していなかったこと、また事業トップであるC氏は、ITマーケティングに熟達していた一方で医療・健康分野の専門知識を欠いていたことが指摘された。医療・健康に関する情報提供が持つ事業リスクや規制遵守の必要性について、十分な議論が行われた形跡はなく、結果として医療分野におけるリスク評価は後回しにされたものと考えられる。
参考:ディー・エヌ・エー第三者委員会「調査報告書(キュレーション事業に関する件)」2017年3月11日