本当にあった「火事場の馬鹿力」
瀧 骨折なさって、お仕事にも支障があったのでは?
今 私、長い芸能生活で仕事に穴を開けたことが一度もないんです。今回の骨折は痛みがひどくて夜も眠れないほどでしたが、昨年12月に歌番組の収録がありまして。
呼吸もうまくできない状態だったのに、ステージに立った瞬間しゃんとして、2曲歌って踊れたんです。それが自分でも不思議で。収録が終わった途端に痛みが襲ってきました。
瀧 さすがですね。プロフェッショナル魂を感じます。
今 脳が、あなたはプロなんだからちゃんと歌いなさい、と指令を出していたのかしら。
瀧 「火事場の馬鹿力」という言葉がありますよね。普段、脳は本来持っている力を出し切らないように、ブレーキをかける方向に働いています。あまり酷使すると、体を壊してしまいますから。しかし、いざというときはブレーキを外して本来の力を発揮する。今さんのプロ意識の高さが、それを可能にしたのではないでしょうか。
今 自分で自分を褒めてあげたい(笑)。何より、人間の脳ってすごいですね。それだけのポテンシャルがあるなら、脳機能は私の年齢でも鍛えることができるのでしょうか?
瀧 はい。何もしなければ加齢とともに機能は低下しますが、脳には「可塑(かそ)性」といって、適切な刺激を与えると変化・成長する性質が備わっていることが最新の研究でわかってきました。
行動さえ起こせば、何歳になっても機能を維持、あるいは向上させることができるんです。