「私も最初は認知症に関する知識がなく、途方に暮れました。同じことを繰り返し要求してくる母にイライラして、つい声を荒らげてしまうことも」(今さん)

別人になった母が回復した理由

 それは朗報ですね! 私は認知症の母と2人暮らしなのですが、接し方を変えてから母がすごく元気になったんです。もしかしたら、その可塑性が関係しているのかもしれません。

 それは興味深いですね。

 母はもともとしっかり者で社交的。家事をてきぱきとこなし、私の確定申告書も長年作成してくれていたんです。異変が起きたのは9年前、母が90歳の頃。

最初はオレオレ詐欺で100万円を騙しとられ、本人もショックを受けていました。やがて、明るくおしゃべりだった母が別人のように暗くなり、一日中ボーッとするように。

バッグをどこかに置き忘れて泣きじゃくったり、火にかけた鍋を焦がしたり、心配なことが続いたので病院を受診したところ、認知症と診断されました。

 認知症は、認知機能が衰えることで日常生活を自立して送るのが難しくなる状態を指します。アミロイドβという異常なたんぱく質が蓄積して脳の萎縮が進むタイプ、脳卒中などにより神経細胞が損傷を受けるタイプなど、原因はさまざまです。

 私も最初は認知症に関する知識がなく、途方に暮れました。同じことを繰り返し要求してくる母にイライラして、つい声を荒らげてしまうことも。自己嫌悪に陥り、夜中に一人でやけ酒を飲んで、「助けて~」と雄叫びをあげたりしていました。

 今さんは責任感が強く、お母さまのことを一人で抱え込んでしまったのでは?

今 そうなんです。結果、私自身が病に倒れてしまって。そのときにお医者さまやケアマネジャーさんにアドバイスしていただき、介護のプロをはじめ、周りの方々に頼れることは頼ることにしました。そして、私が明るく元気でいないと母を支えられないと気づき、母への接し方を変えたんです。

 どのように?