「今度、東京都のシニア向け交流大会で、『太鼓の達人』のトーナメント戦があって。出場予定の人は、課題曲の練習に熱が入っています」と教えてくれたのは、赤岩美由紀さん(70歳)。

「大会に出るなら練習しなくちゃいけませんからね」と語る植田和子さん(86歳)と赤岩さん、そして豊富さんの3人は、2024年に鳥取で開かれた「全国健康福祉祭(ねんりんぴっく)」に出場したメンバーだ。

市の健康イベントによく顔を出す豊富さんがeスポーツを体験してみたことをきっかけに、友人の2人を誘ってチームを結成。3人ともeスポーツはもちろん、コンピュータゲームもまったくの未経験だった。

「子育てをしていたのが、ちょうどテレビゲームが出始めの頃。子どもには『一日何分まで』と言い聞かせていました。基本的に『やってはダメなもの』と思っていたから、まさか80歳を過ぎている自分が始めるなんて」と植田さん。

赤岩さんも、「周りにはゲーム好きの人もいましたけど、私は『時間の無駄かなぁ』と思うタイプでした(笑)」。

鳥取で行われた大会本番では、各地の強豪チームを前にあっけなく敗退してしまったものの、豊富さんと植田さんが「最高齢者賞・高齢者賞」を受賞。メディアにも取り上げられ注目を集め、その後もメンバーは地域のイベントなどでeスポーツを広める活動を続けることに。

仲間も増え、昨年からは現在の場所で同好会としての活動も始まった。「市内6ヵ所の福祉会館にeスポーツ専用の機器とサークル室ができたのは嬉しかったですね」(豊富さん)