いまの時代、60代ならまだ「欲」がある

誰にでも、自分が死ぬことなんか考えもしない時期があります。

30代40代の頃まで、ほとんどの人にとって死は他人事ですし、非現実的な出来事です。

(写真提供:Photo AC)

もちろんこれには個人差があるし、時代的な背景もあるでしょうが、超高齢社会になったいまの日本でしたら、60代になっても自分の死を実感的に受け止める人は少ないと思います。「いずれは」と思うことはあっても、「いまはそれどころではない」と打ち消してしまうでしょう。

いまの時代、60代ならまだ「欲」があるからです。定年延長もあるし再雇用もあります。職場ではまだまだ必要とされる人材ですし、かりに退職しても自宅に引っ込んでしまう年齢ではありません。

キャリアや実績を活かして第二の人生に踏み出す人もいるし、サラリーマン時代にはあきらめていた好きな分野の勉強とか、趣味や好きなことに本気で取り組んでみるとか、とにかく実現させたい計画がまだほとんどの人には残っているはずです。

実際に実現する人も大勢います。

たとえば、学び直しのように大学に通って勉強したり研究をしたりして、資格を取るようなケースです。私は大学院の臨床心理士コースで学生を教えていましたが、受講者の中に60代の社会人は少しも珍しくありませんでした。みなさん、とても熱心で資格を取って第二の人生に踏み出していきました。