「老いの無欲」は、いつのまにか進んでいる
そういう人たちでも、70代半ばを過ぎる頃から、そろそろ体力の衰えや意欲の減退を感じるようになります。
現実問題として、臨床心理士の資格があっても75歳を過ぎるとその資格を活かせる職場が限られてきます。好きな絵を描きたいとか、旅行を楽しみたいと考えて実行してきた人も、10年ほど楽しめれば第二の人生も満足できます。「十分楽しんだから、もういいかな」とか、「あとは気が向いたときに楽しめばいい」という気分になるでしょう。
もちろん、これといって好きなこともやってみたいことも思い浮かばず、なんとなく時間が過ぎてしまって、気がつけば70代半ばという人もいるでしょう。むしろ、こちらのほうが多いかもしれません。
そうだとしても、その年齢になればいよいよ「もういいかな」という気がしてきます。
「もういい年なんだから、あくせくしないで気楽にやっていこう」という心境です。
「これといって達成感もない人生だったけど、ここまでなんとかやってこられただけでも、よしとしなくちゃ」
いつのまにか、ずいぶん無欲になっているのです。
※本稿は、『死ぬのも楽しみ 「いい人生だった」と最期に思うために必要なこと』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。
『死ぬのも楽しみ 「いい人生だった」と最期に思うために必要なこと 』(著:和田秀樹/廣済堂出版)
「まだ死にたくない」と思えば死はつらいだけ。
死を怖がるより、今を生きることに専心すれば、あなたのこれからの人生は確実に充実します。





