母親の歪んだ期待や焦り
母親が子どもを叱るとき、つい口をついて出てしまうのが「そんなことをしたら、お母さんが恥ずかしいんだからね」という言霊です。
その言葉を聞いた子どもは、「自分は母に恥をかかせる存在なのか」と受け取り、深いところで突き放されるような寂しさを抱いてしまいます。
こうした言霊が出る背景には、母親自身の不安・孤独感・満たされなさが潜んでいることが少なくありません。夫婦関係がうまく機能していないとき、母親は知らないうちに、心の欠けた部分を子どもで埋めようとしてしまいます。
私はそれを“愛の電池”と呼びますが、電池が切れかけると人は誤作動を起こしやすくなります。配偶者から得られない安心や承認を、子どもに置き換えて求めてしまう――そんな情緒の偏りが起きているのです。
その結果、子どもが親の望む方向へ進まなかったとき、母親は「私をこんなに不安にさせて」「あなたのためにこれだけしているのに」といった、歪んだ期待や焦りを言霊としてぶつけてしまいます。
しかし私は、こうした状態の根底には、やはり夫婦関係の歪みがあると考えています。