園芸に集中することは自分に集中すること
が、金のなる木はサインが見えにくい。多肉植物は基本タフだが、もしタフでない状況でも顔色が変わらない。もし俺が触れなければ葉は落ちなかっただろう。しかしいったん落ち始めるとそれはバラバラと落ち続ける。
金のなる木の方にも緊急乾かし体制を敷いて、2週間。おそるおそる触れても前ほど葉は落ちないようにはなった。なにしろ金のなる木なので、バラバラ葉が落ちるのはいかにも縁起が悪い。ぞっとする。やめてほしい。
という日々、細心の注意で植物に回復してもらおうとしていると、自分の体調にも気をつけているのに気づく。なるべくよく休み、根腐れをしないよう俺もまたなぜか知らぬ間に暴飲暴食を控えているのである。
園芸に集中することは自分に集中すること。というのも、園芸あるあるのひとつだ。
※本稿は、『日日是植物』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。
『日日是植物』(著:いとうせいこう/マガジンハウス)
生きとし生けるものが愛おしい!
「ベランダ園芸家」改め「室内園芸家」による、ドラマティック植物生活の記録。





