左からいとうせいこうさん・清水ミチコさん、バービーさん
今年、バービーさんがパーソナリティを務めるラジオ番組がスタート。いとうせいこうさんがゲストとして登場した回は、バービーさんの質問の真意がうやむやのまま、タイムアウトに。その日聞けなかったことから、2人の創作への意気込みまで、清水ミチコさんが引き出します――(撮影=大河内禎)

<前編よりつづく

スランプを抜け出したきっかけ

いとう むしろこっち(僕)?

清水 すでに書き溜めてるの?

バービー ちょっと書いては読み返して「うわぁぁっ」ってなる状態をもう10年以上続けています。

いとう 大丈夫。僕の場合、16年もスランプがあって書けなかったから(笑)。抜け出せたきっかけはいろいろあるけど、やっぱりパソコンは合わなかった気がするよね。パソコンって、書いては消すじゃないですか。あれがダメなんです。アイデアの一番よかった突端みたいなものが、なにも残らない。

清水 相性が悪いんだね。

いとう ちょっと集中できるときなんかに、思いついたことをメモ書きしたり、横にさらさらっと絵をつけたりしておく。これがけっこう大事で、翌日に原稿用紙1枚でいいから続きを書いてみると、飛行機が離陸するみたいに、「あ、ここに話がある」という状態になるんです。メモ書きのほうが、自分の好きなフレーズなんかも見えてきますしね。それが20枚くらい溜まったらパソコンに写して、あとは構成的に進めていく感じです。

清水 パソコンは、あくまで整える道具なんだね。

いとう 曲づくりも、同じじゃないですか。いきなり打ち込まずに、最初はポロンポロンって弾きたいように弾いてみるでしょう。

清水 「なにか出てこい!」って思いながら楽器と向き合うと、アイデアの断片がちょっとずつ出てくる。それを肉付けしていく感じかな。

バービー 私もパソコンだと進まないので、いまは原稿用紙の形で表示されるアプリを使っています。

いとう 最初はスケッチブックでもいいんじゃないかな。絵も描けるし、見かけた好きな言葉もスクラップできるでしょう。