Q)高齢期に聞こえづらさを感じたら、即、補聴器?
そうとは限りません。まずは耳鼻咽喉科で診察を受けてください。その際、聴器相談医(*)のいる医療機関を選ぶと安心です。高齢期の聞こえにくさの要因は、加齢性難聴だけでなく、実は耳垢(みみあか)トラブルも非常に多いのです。
耳穴から鼓膜までの3cmほどの外耳道は軟骨と骨でできていて、その表面を覆う薄い皮膚は鼓膜に繋がっています。鼓膜の中心部で新しい細胞が生まれると、古い皮膚細胞が押し出され、外耳道をベルトコンベア式に運ばれて耳穴からポロリと外へ落ちる。これが耳垢です。高齢期には新陳代謝が低下するため、古い皮膚細胞を押し出す力が弱まったり、外耳道内の軟骨が変形して耳垢を堰き止めたりして耳垢が溜まり、聴力を低下させることがあるのです。さらに、溜まった耳垢に細菌が繁殖して炎症を起こし、外耳道の骨を溶かしてしまうことも。高齢期の耳垢は侮れません。
また、花粉症やインフルエンザ発症後には、鼓膜の奥に水が溜まる「滲出(しんしゅつ)性中耳炎」になり、聞こえにくくなることも珍しくありません。まずはこうした耳トラブルの治療が必須。何もなければ聴力検査を受け、日常生活に支障をきたす加齢性難聴と診断されたら、補聴器の使用が推奨されます。
*補聴器が必要かどうかを医学的に判断し、適切に助言できる知識を持つ耳鼻咽喉科医。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が認定している
全国の補聴器相談医は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のHPを参照

