自分たちだけで介護を抱え込まないこと
特に、いわゆる「2025年問題」といって、昨年から、団塊の世代が75歳以上となることで介護需要が急増し、離職者の増加が懸念されています。離職の原因は、相談口のなさが6割を占めると言われています。しかし実際には介護離職を防ぐ「両立支援制度」が整えられています。 一例をここに挙げますと、
●介護休業:対象家族1人につき、通算93日まで取得可能(賃金の低下を防ぐ介護休業給付金あり)。
●介護休暇:要介護状態の家族の世話のために、年5日(2人以上なら10日)まで、1時間単位で取得可能。
● 所定労働時間の短縮措置:短時間勤務、フレックスタイム制、始業・終業時間の変更など。
●残業の免除・制限:介護を行う社員からの申し出により、残業を免除・制限する。
これらは厚生労働省のHPにも掲げられています。また昨年4月から企業側でも育児・介護休業法改正により、制度の周知や意向確認・窓口の設置が義務付けられています。離職を防ぐためにもまずは上司に相談すること、そして、デイサービスや訪問介護などケアマネジャーに相談することが考えられます。
離職を勧めない最大の理由は、自分を犠牲にして狭い世界に閉じこもってしまうと、「逃げ場」を失ってしまうからです。家の中で24時間、自分たちだけで介護を抱え込むと、社会との接点が断たれ、人間関係も含めた「外」がなくなります。孤立すればするほど、いざ限界が来た時にどこへ助けを求めればいいのか、声の上げ方すら分からなくなってしまうのです。
また、「自分ばかりがこんなに大変なのに……」という被害者意識の負のループに陥るケースも少なくありません。外に出られない状況で、SNSやテレビを通じて見える「楽しそうな他人」と自分を比較しては落ち込む――そんな悪循環に陥りかねないのです。
