サービスを知らないことこそ、介護における最大の敵

忘れないでほしいのは、介護は基本的に「長期戦」であるということです。 

抱え込まず、持続できる体制を整えなければ、心身が持ちません。もし余命が「あと1週間」と分かっているのなら、付きっきりでいたいと思うのは自然なことでしょう。しかし、終末期で「あと1ヵ月」と言われていても、実際には半年、1年と続くことも多々あります。その間、ずっと一人で寄り添い続けることが現実的かといえば、決してそんなことはありません。

「自分がやれば……」という自己犠牲は、いつしか自分自身を元の生活から乖離させ、生活そのものを壊してしまう危険を孕んでいます。家族が認知症であることや、病気の身内がいることを「隠したい」という心理は誰にでもあるものです。しかし、家の中で解決しようとすることだけが正解ではありません。

「サービスを知らないこと」こそが、介護における最大の敵なのです。

なお介護離職後でも遅くはありません。特定の条件を満たせば、失業保険(基本手当)も受給可能です。詳細は「仕事と介護の両立」について厚生労働省のHPにも載っています。

今は、他人に頼めることがたくさんあります。制度も整ってきています。まずは周囲に助けてもらう勇気を持ち、使えるものはすべて使って、仕事を続けてください。社会と繋がっていることは、経済面だけでなく、あなたの精神を守るための「命綱」になります。

いざという時こそ、閉ざされた介護ではなく、外へ開かれた介護を。もし離職という選択肢が頭をよぎったら、まずは役所や介護現場、病院などに相談してみてください。制度を使い、社会と繋がり続けることを恐れないでくださいね。どうぞ諦めないでください。

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