内容と別に感心したこと
読めば、著者の徳の高さにびびる。利己的な判断を戒め、謙虚さを持てと説き、刹那的な儲けも否定する。「情熱」という、ビジネスに似つかわしくない言葉を熱く語る一方、損益計算書の重要性を説くリアリストでもある。
「経営者が積極的であれば、積極的な価格になります」とか「働くことには、給料を貰う以上の何かがあるのです」などなど常にですます調の、高圧的でない平易な語り口はとても読みやすい。京セラが米国の企業を買収し成功した逸話は、渡米する大谷くんにもストレートな励みになったのではないか(そう思って推薦したのだろう)。
内容と別に感心したのは本の「型」だ。おそらく大谷君も手にしたであろう「新装版」はビニールカバーつきの文庫サイズ、しかも角マル処理という特殊な判型。持ち歩いて何度めくってもいいようになっているし、見開き2ページで一つの説話が必ず終わるように文字が組まれている。これを薬のように携行していたのか。だとしたら言葉もサプリメントのように強く効いたのだろう。
※本稿は、『有名人の愛読書、読んでみました。』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
『有名人の愛読書、読んでみました。』(著:ブルボン小林/中央公論新社)
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