陰キャの義父と陽キャの義母
さて、そんな陰キャな義父と陽キャな義母を連れて、先日、月一度の受診に行ってきた。以前は3か月に一度の通院でよかったものの、この3年間義母を診察してくれている医師が、義母の様子を観察し、1か月おきにすることを決めた。つまり、進行してきているのだ。
私と夫で、順番に連れて行くことにしている。車でたかだか1時間の距離の病院だが、二人の後期高齢者を連れて受診することの大変さは筆舌に尽くしがたい。後部座席で琵琶湖を眺めて、「なんて美しい海なのかしら。ここはどこ?」と言っている義母はかわいいものだ。義父は車に乗った瞬間から、泣きそうな声で「こんなことをさせて、すまんなぁぁ……」と言いはじめる。何度も言う。
「こんな目に遭わせて、つらい……こんなことならいっそ……」
「病院に行ったからって、何が変わるでもない……」
「こんな苦労ばかりさせてしもうて……」
もう、本当に急ブレーキをかけて車から放り出したいぐらいに腹が立つのだ。反応するのも腹が立つ。堂々としていればいいじゃないか! ありがとう、今月も迷惑かけたが、本当に助かるよ。なぜそう言えないのだ。どんどん怒りが募り、若干運転が乱暴になってきた時だった。次男からLINE通話が入った。ハンズフリーにしていたのですぐに応答した。
「あ、母さん? 俺やけど、帰りにマクドでダブチ(ダブルチーズバーガー)買ってきてくれへん? もしトリチ(トリプルチーズバーガー)があったらそっちでええわ。3個……いや、4個で頼む!」
了解と応答してそそくさと通話を切ったのだが、聞きつけた義父が(こんな時はよく聞こえるのだ)、またもや泣きそうな声で「今のは誰や」と聞いた。「ああ、次男ですよ」と答えると今度は、
「あああ、可哀想に……」と言った。何が可哀想なのか、まったく理解できない。
「何が可哀想なんですか。ハンバーガー買ってきてってだけじゃないですか」
「食べるものがないんやろ……わしらがこうやって迷惑をかけているから……」
ムキーッ、イライラするう! 高校生は24時間ハンバーガーを食べる生き物なんですよ。いつでも食べるんだよ、やつらは!