逃げたくてどうしようもない
……ということで、私の足が実家から遠のいて、すでに3週間以上が経過している。逃げたくてどうしようもない。考えただけで、本当につらくなる。
義母のことはとても心配だ。新型コロナウイルスに感染し、すべての介護サービスが停止して以来、まったく外出しなくなった義母は表情が乏しくなっているし、毎日のように私にかけてきた電話もぷつりと止まっている。
それでも、大晦日には実家まで行き、二人に会った。会ったのだが、3年前に転倒して骨折し、それ以来まっすぐ伸びなくなってしまった右手の小指をアピールし続ける義父に、「もう無理」と思ってしまった。なんでもかんでもアピールだ。ごめんやけど、アピールが過ぎる。小指をアピールされても、なんと言っていいのかわからない。というか、やめてくれ。繰り返すが、指が伸びなくなって3年で、その間、伸びない小指をアピールされ続けている私の心配をして欲しい。「かまってちゃん」もいい加減にしてと言いたい。「かまってちゃん」が許されるのは動物だけだということを忘れないで下さい。
私が厳し過ぎるのか、それとも義父が大人げないのか。たぶん、両方だとは思うし、私が意地悪なだけなんだろうけれど、それでもやっぱり、私は義父の甘え体質から逃げたくて仕方がない。
※本稿は、『義父母の介護』(村井理子)の一部を再編集したものです。
『義父母の介護』(著:村井理子/新潮社)
認知症の義母と90歳の義父。
仕事と家事を抱え、そのケアに奔走……。
ホンネ150%、キレイごとゼロの超リアルな介護奮闘記。





