デートはだいたい渋谷で会って、東急プラザで紅茶とスパゲッティ。そこから神宮球場まで歩いてベンチに腰かける。
その3回目の時に、「君と私は結婚することになっています。前世で添えなかったから今世で添う。それは神様が決めたことだから」と言ったんです。え? 向こうの返事? 「そうかしら」って。(笑)
向こうは女子ハワイアン部だったんで、私は頼まれもしないのに「エンディング、ビシッとキメよう」とかいろいろコーチみたいなこと言ったりして、帰りは横浜の彼女の家まで送って行く。
そのうち「上がってく?」って言われるように。とにかく、彼女の親に気に入られたいと思っていたので、お母さんがケーキが好きだとわかればすぐにケーキを買って持って行って。
私が18の時に出会って、25で結婚しましたから、7年くらいかかりましたかね。その間、彼女も自立して働いていました。
結婚した時の私の持ち物は、旧式のステレオと数枚のレコード、貯金が5万円くらいかな。呆れ返られましたね、ほとんどゼロスタートでしたから。
<後編につづく>
宇崎竜童
ミュージシャン
1973年にダウン・タウン・ブギウギ・バンドを結成しデビュー。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」「スモーキン’ブギ」など数々のヒット曲を生み出す。作曲家としても多数のアーティストへ楽曲を提供。阿木燿子とのコンビで、山口百恵へ「横須賀ストーリー」「プレイバックpart2」「さよならの向う側」など多くの楽曲を提供、山口百恵の黄金時代を築いた。阿木と共に力を注いでいるライフワーク作品『Ay曽根崎心中』では音楽監督を務めている。自身のライブの他、映画・舞台音楽の制作、俳優等で幅広く活動中。2019年阿木燿子と共に岩谷時子賞特別賞受賞。6月19日公開の映画『免許返納⁉』に出演
関容子
エッセイスト
雑誌記者を経て、エッセイストに。1981年『日本の鶯――堀口大學聞書き』で日本エッセイスト・クラブ賞、角川短歌愛読者賞受賞。96年『花の脇役』で講談社エッセイ賞、2000年『芸づくし忠臣蔵』で読売文学賞、芸術選奨文部大臣賞を受賞。『勘三郎伝説』『客席から見染めたひと』ほか著書多数。『銀座で逢ったひと』(中公文庫)が好評発売中