盗みを最後にする決意

このあと、検察官は懲役5年を求刑。

裁判官「これで、この事件の審理を終えて次回判決ですが、最後に言いたいことはありますか?」

被告人「え〜……7回目の盗みで広島の裁判所でしたけど、裁判官に『また刑務所行くのかな?』って言われました。その時は言い返せませんでした。その裁判官、ここにはいませんけど……やっと決意しました………と伝えたいです」

なんかカッコつけてるんですよね。今回の盗みを最後にする決意ができたと述べていました。これだけ盗みを繰り返してきた人でも、裁判官が投げかけた嫌味っぽい質問とか心に残ってるもんなんですね。

1週間後、判決が言い渡されました。

懲役3年4月

出所して半年で犯行を再開していて常習的であると指摘したうえで、罪を自白してるし再犯しないと約束しているので刑を短くした、というのが判決理由でした。

東京は捜査が厳重だと思っていた被告人にとって、上京したのは人生最後の挑戦だったのかもしれませんね。カラスの羽根は警察への挑発だったのか、逮捕してくれという被告人の無言のメッセージだったのか。

出所したら大分県で真面目に生活すると誓ってましたけど、社会にいる時間がカラスの行水にならなければいいのですが。

※本稿は、『バカ裁判傍聴記』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

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バカ裁判傍聴記』(著:阿曽山大噴火/飛鳥新社)

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