『ばけばけ』場面写真
『ばけばけ』/(c)NHK
泣き、笑い、セリフのない場面でも豊かな感情表現で物語を前に進めてきた――。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で怪奇文学作品集『怪談』で知られる小泉八雲をモデルにした連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合/毎週月曜~土曜午前8時ほか)で、怪談が好きなヒロインの雨清水トキを演じているのが俳優の高石あかり(高ははしごだか)さんだ。八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルにしたレフカダ・ヘブン役をトミー・バストウが演じる。明治初期の松江から始まり、日常のうらめしさと素晴らしさを紡いできた物語は、まもなく幕を閉じる。クライマックスを前に、高石さんに思いを聞いた。(取材・文:婦人公論.jp編集部)

奇跡のような朝ドラだった

2月に『ばけばけ』の撮影を終えました。ドラマ制作は、人と人が関わるお仕事だし、うまく交わらない部分もあるんじゃないかと考えていました。でも、チーム全員がお互いを尊敬しているからこそずっと楽しく撮影に臨めたと思っています。

題材や物語、キャスト、スタッフの方々…。そのすべてが私にとって完璧だったと言える作品です。夢だった朝ドラヒロインを『ばけばけ』で演じることができたのは奇跡のようでした。

クランクアップの日、最後のシーンを撮り終わった後に、スタッフさんから「少し待っていてください」と言われたんです。スタッフの皆さんが扉の向こうに待ち構えているのかなと予想していました。

でも、扉が開いたら、これまでに出演してくださったたくさんのキャストの方がいらっしゃった。わざわざ大阪まで来てくださったんです。みなさんが、私とトミーさんに拍手を送ってくださって。

「やり遂げた」というよりも、信じられないものを見ているような「こんなに幸せなことがあっていいのかな」と嬉しくてふわふわしたような感覚になりました。スタッフやキャストの方々からいただいた、メッセージ入りのチェキは一生の宝物です。