貧しさの中のさみしさと楽しさ
<武士の世が終わり、明治の世が始まったころから物語はスタート。時代の変化についていけず、立ち尽くすしかない司之介は働きに出ることもできなかった。司之介の借金で転落して貧乏長屋暮らしになったトキは、同じ長屋に住むサワと親友だった。しかし、玉の輿に乗ったような形で結婚したトキにサワが微妙な気持ちを抱いたことも…。
ヘブンの妻になったトキは、憧れの目で見られていたが、松野家の借金をヘブンが返済したことが知られると、街の人から蔑まれてしまう。人の心の暗い部分も逃げずに描いた作品だった>
『ばけばけ』は、貧しい環境にある人の心の中のさみしさや満たされなさが描かれていました。その満たされなさはどの時代にもあるもの。貧しくて満たされない中でも、不器用にただ生きているキャラクターたちが本当に魅力的でした。
トキは、借金を返すために女中になりました。ヘブンと結婚して、裕福になったけれども、ラシャメンとして蔑まれたこともあります。時が経ち、環境が変わっても、さみしさや楽しさをみんなが持ち続けている。見ている方に共感してもらえる素敵な部分じゃないかと思っています。