怪談を語るシーンは楽しみ

<トキがヘブンに怪談を語って聞かせることで、2人の距離は近づき結婚に至る。24週では、再び『怪談』がフォーカスされた。ベストセラーを書こうと模索するヘブンに、トキは「学のない私でも読めるものを書いてほしい」と提案。トキが怪談を収集し、ヘブンに語って聞かせたのだ。そして、のちに世界的ベストセラーになる『怪談』が誕生した>

1回目に怪談を語るシーンの撮影では、ものすごく緊張して、でもすごく楽しかった。だから、もう1回怪談を語る場面を撮影できることが嬉しかったし、前回より深くなったものを見せたいと思っていました。

トキは本当に怪談が好き。「怪談を話していると楽しそう」「好きなものに触れているとこんなにキラキラする」と感じてもらえたらいちばんうれしいです。トキが『耳なし芳一』を語るシーンでは、ヘブンさんが本当に般若心経を耳以外の顔や体に書いていました。その姿を生で見ることができたのはすごく貴重な経験でした。

『ばけばけ』場面写真
『ばけばけ』/(c)NHK

<第122回ではついにヘブンが死去する。自分が亡くなった後の家族のことまで心配していたヘブン。残されたトキと家族は…>

最終週の脚本を読んで、泣いてしまいました。いつか来るであろう、その瞬間がどう描かれるのかなと思っていたら、想像とは違ってすごく『ばけばけ』らしいエピソードでした。決して壮大なストーリーではない、日常を描いてきたこの作品だからこそ、残せるさみしさがありました。

トキのモデルの小泉セツさんは『思ひ出の記』というエッセーを残しています。そこに書いてあったセツさんのセリフに近いものを感じて、セツさんの存在を感じながら、最終週の台本に向き合いました。