演劇にも手応え
2000年に『生活の設計』で新潮新人賞を受賞し、『縮んだ愛』『牛を屠る』などの著作で知られる作家の佐川光晴さん。スカーレットの2番目の夫、フランク・ケネディ役を演じます。
「自分には歌舞伎でいうと『茶利場』のようなにぎやかな場面が割り当てられていて、とても楽しくやっています」と話す佐川さん。稽古中の印象的だった出来事について、以下のように話しました。
「僕が綿矢さんに対してポロッとセリフを言う場面で、周りから笑いが起きたんです。どうして笑いが起きたんだろう、と思ったんですけども、五戸さんからは『当たり役かもしれない』と言われました。その時の感触というのは覚えておりまして。
小説を書いているときも、『ああ、これは書けた』といいますか、自然にその人物が動き出すように感じたときには『この小説は大丈夫かもしれない』と思います。それが編集者に伝わると、この小説は雑誌に載って、やがて本になっていくかもしれないとホッとするわけなんです。
我々は演劇の素人なので無我夢中でやっていますが、その中でも若干の手応えを感じていて、これからさらにその密度を濃くしていくことが楽しみだと思っています」