作家は怒ると傷ついちゃうから…
文士劇の演出を手掛けるのは、2023年に『コーヒーと恋愛』『貴婦人の来訪』『毛皮のヴィーナス』で第30回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞した五戸真理枝さん。
「文士劇は見たことがなかったので、電話をくださったプロデューサーさんにいろいろ聞きました。『作家というのはとても繊細で、怒ると傷ついちゃうから、優しい演出家を探しているんです』と必死な感じで言われたので、それならできるかなと思い、お引き受けしました」と裏事情を明かし、会場の笑いを誘っていました。
また、これまで作家と仕事をする機会がなかった五戸さんは「この公演の脚本を書いた道又力さんが文士劇の歴史をまとめた本を出版されていて、そこには文士(作家)のみなさんは真面目に稽古するなんてカッコ悪いみたいな感じで稽古をまともにしなかったり、酒に酔って舞台に上がったりしていた、みたいな記述があって『どんな荒くれ者たちなんだろう』とちょっと戦々恐々としていました」としつつ、
「(実際に会うと)文士は嘘がない人たちというか、俳優以上に自分をさらけ出す職業なんだなという印象を受けています。自分の思想を持っていて、それを言葉にできて、そこに嘘があると文士としてやっていけない。書くということの厳しさを仕事にしている方々のかっこよさを日々感じておりまして、それを生かす舞台にできたらいいなと考えております」と笑顔を見せました。