葬儀後にかかってきた1本の電話

葬儀社でジャックは棺を選んだ。妻のフランソワーズを納めたのと同じ棺だ。モーリーンは母親の傍らに葬ろう。墓穴には1人分の余裕があり、ジャックは自分が永遠の眠りにつく場所だと考えていたが、モーリーンに譲ることにした。

葬儀ミサには大勢の人が参列した。陽気で人生の喜びに満ちたモーリーンは、多くの人に愛されていた。司祭や親しい人による故人を称えるスピーチは、教会にあふれかえる会葬者たちの心を揺り動かした。

夕方、ジャックは以前にも増して淋しくなった自宅に戻った。

テレビの前に座り、ニュース番組にチャンネルを合わせると、生者たちの世界の最新の出来事が映し出されていた。妻の葬儀でも着た黒いスーツを脱ぐ気力もなかった。

すると、電話が鳴った。

ジャックはまだ固定電話―若者たちにとっては古代の遺物―を持っていた。ジャックは椅子から立ち上がるのを億劫に思い、電話を無視しようと決めた。ここ数日、あまりにも目まぐるしかったので、今は静かにしていたかった。彼の願いが聞き入れられたのか、電話の呼び出し音は鳴り止んだ。

数秒後、電話はまた鳴り出した。ジャックは意を決して、電話に出ることにした。出なければ、この電話はいつまでも鳴り続けるだろうから。

ジャックは立ち上がり、やや苛ついて受話器を取った。

「もしもし?」
「もしもし、パパ? 私、戻ったわ。迎えに来てくれる? 駅で待っているわ」

モーリーンであった。