(写真提供:Photo AC)
高齢者のひとり暮らしは、健康管理やお金のことなど数多くの不安があります。しかし、これまで70年近くにわたってひとり暮らしを続けてきた88歳のイラストレーター・田村セツコさんは、「ひとりで生きることは、寂しさや孤独や、認知症の不安を抱きしめながら、それでも楽しんで暮らす冒険です」と前向きに語っています。そこで今回は、田村さんの著書『最後までひとり暮らし』から抜粋し、再編集してお届けします。

「若く見せなきゃいけない」という声

年をとると、どこからともなく、「若く見せなきゃいけない」という声が聞こえてくるようになります。

誰かに直接いわれたわけではないのに、雑誌を開けば、テレビをつければ、街を歩けば、いつのまにか、そんな空気がまとわりついてくるのね。

若く見える服。若く見える髪型。若く見えるメイク。

それらは決して悪いものではないわ。楽しめる人は、楽しめばいい。

でも、いつのまにか、「若く見えないといけない」「老けて見えるのは、よくないこと」、そんな考え方にすり替わってしまうの。

すると、心のどこかが、少し苦しくなってくるのよ。

わたしは、若く見せようとは思わないわ。