4,000匹以上のぬいぐるみと暮らす小説家・新井素子さんの日常がここに。「ぬい活」が一般化するはるか以前、「ぬい」という呼称を生み出し、社会からずっと変人扱いされてきた新井さん。「ぬいぐるみは生きている」と本気で確信し育んだ「ぬい」たちとの生活には、ただごとではない発見と幸せのヒントが詰まっていました。

“美ぬい”にするスプレー

ぬいさんを綺麗にするのには。

実はまったく違う手段もあります。

ですが。今の処。

お風呂以上に、“ここまでぬいさんが綺麗になる手段は、他には、ない”。

んですよね……。

だから、私は“お風呂”をやっていて……。

でも、まったく違う“美”が、あります。

んとね。

私が愛用しているのは、“ぬいぐるみのクリーニング屋さん”っていう奴。薬剤です。スプレー式のものでして、ぬいぐるみに吹きかける、そういうものです。

このスプレー、ぬいさんの汚れている処に、プシューって吹きかける。そして、そこを、乾いたタオルか何かで擦る。ひたすら擦る。これやると、それなりにぬいさんの汚れは落ちます。(けど、お風呂にいれた方が、ずっと楽に綺麗になるんで……この辺、加減が本当にむずかしい。お風呂にいれる――言い換えると全体を濡らす――のがまずいぬいぐるみもいますし、かといって、スプレーでやるだけではあんまり綺麗にならないぬいぐるみもいますし……う、う、うーむ。これ、多分、そのぬいさんの皮膚――っていうか、ぬいさんを構成している布地の種類の問題なんだよなあ。タオル地でできているぬいは、スプレーより洗った方が綺麗になる、フェルトならどっちも多分OK、でも、毛足が長いぬいさんは、お風呂にいれたら毛並みが死ぬ可能性あるしな……。)

ただ。どっちも。

お風呂にいれた場合も、スプレーで“美”をやりながら、乾いたタオルで擦っている場合も。

とにかく、当該ぬいとしゃべるのが大切です。