新しい環境に入る=脳に負荷がかかる

3月から4月にかけては、1年の中でも特に環境の変化が大きい時期です。

年度末の業務整理、引き継ぎ、組織再編、人事異動、新しい上司や部下との関係構築…。こうした変化は、脳にとって大きな負荷となります。

人間の脳は本来、安定した環境を好むため、環境が変わると、脳は新しい情報を理解し適応するために多くのエネルギーを消費することに。

たとえば新しい職場では、「この職場では何が評価されるのか」「上司はどのような価値観を持っているのか」「同僚との距離感はどうすればよいのか」といったことを、無意識のうちに常に処理しているのです。

心理学では、こうした環境の変化は「ライフイベントストレス」と呼ばれます。

1967年に精神科医ホルムズとレイが発表した研究では、昇進や転職などのポジティブな出来事であっても、人間にとっては大きなストレスになることが示されていました。

つまり、新しい環境に入ること自体が脳にとって負荷になるのです。

ストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れることに。

自律神経には交感神経(活動モード)と副交感神経(回復モード)があり、新しい環境では交感神経が優位な状態が続きやすくなります。すると睡眠の質の低下、胃腸機能の低下、免疫力の低下、慢性的な疲労感といった変化が身体に現れるのです。

さらにストレスが長く続くと、脳の視床下部・下垂体・副腎をつなぐHPA軸が刺激され、コルチゾールというストレスホルモンが増加。

このホルモンは身体を守る役割を持っていますが、慢性的に増え続けると睡眠障害、集中力低下、気分の落ち込みといった症状を引き起こします。

つまり4月の不調は、単なる気の持ちようではなく、脳とホルモンの生理的反応として起こるものなのです。